Rubber Soul / The Beatles ー スレて大人の魅力が出てきたビートルズ、どこか寂しい曲ばかり耳に残るアルバム

 

スレたのは主にジョンです。

 

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アルバムタイトルの Rubber Soul は、当時ローリングストーンズが黒人音楽の模倣を Plastic Soul と揶揄されたときにポールが、じゃあおれたちは Rubber Soul やで!

と言ってつけられたタイトルらしです。

Rubber Sole とかけているなんて言う説も。

 

また、ジョンが自身の音楽性をカメレオンと自称しているように、彼らの音楽性もゴムのように柔軟ということを表しているのかもしれません。

ジョンのアイデンティティの脆さが窺えて悲しい。

 

似た話で、モアナと伝説の海に出てくるマウイを思い出しました。彼は魔法の釣り針で何にでも変身できるのですが、両親のことを知りません。

 

ジョンの生育歴とかぶる部分がありますね。おっと脱線。

 

いずれにせよジャケットの文字のデザインのゴムみが良いですよね。

今でこそ見かけるデザインな気がしますが、ビートルズがパイオニアなんでしょうか?

 

 

 

 

それにしてもこのアルバム、本当にスレた曲が多くて、自分調べで14曲中10曲は

別れの歌、愛想を尽かした、尽かされた歌、浮気の歌、なんです。

ラブラブ連呼していたビートルズはどこへやら。子供じみた恋愛には飽きちゃったのでしょうか。

 

 

 

1. Drive My Car

 

ポールが女の子のセリフを歌った歌。

Drive My Car ってその女の子が言ってたんですね。男の歌だと思ってたよ。

少し小馬鹿にしてあきれてるんだけど、なんだかんだかわいいんだよなぁっていう

いつの世も男性が思ってそうな歌詞です。男ってバカねぇの逆のやつ

ギターリフとカウベル

ピーピー!ピーピー!イェー!って感じの曲。

 

 

 

2. Norwegian Wood  

 

シタールを取り入れたことでも有名。

ジョンの荒んだ異性関係の一面が垣間見える歌らしい。

ジョンのメロディーもシタールのメロディーも美しいですよね。アコギのバッキングも相まってノルウェーの森って感じです。語彙力がない。

 

ノルウェイの森といえば村上春樹ですが、この曲の雰囲気も歌詞も、本当に村上春樹が好きそうなそれです。

個人的にはなんとなく風の歌を聴けを思い出しました。

村上春樹はそんなに好きじゃないのですが、この曲はとても好きです。

 

 

3. You Won't See Me

 

ゆー、うぉん、しーみー

ゆー、うぉん、しー、みー

全然関係ないですが、このアルバムでリンゴのドラムが格段にレベルアップしたと思うのは気のせいですかね?フィルの使い方とか、雰囲気出るようになった。

 

 

4. Nowhere Man

 

出た!ジョンの自分の世界に閉じこもる歌!

ファーストアルバムの Please Please Me に収録されている There's a Place と同じタイプの曲。プレイスがもはやどこでもなくなっています。

サビのジョンとポールのコーラスがとても美しいですね。寂しい歌です。

 

 

5. Think For Yourself

 

めっちゃ低音きかせたギターの音が目立つなぁと思っていたんですが、これファズがかかったベースなんですね。普通のベースも入ってるからギターだと思っていたよ。

これ、ジョージの曲らしいのですが、歌詞の感じ前の曲もおんなじじゃなかったっけ???

 

 

6. The Word

 

この曲、歌詞読んで気付いたのですが、ビートルズが初めて恋愛における愛とは違う方の愛について歌った歌です。

All You Need Is Love だけがそういう歌だと思ってたんですが、それより前にあったんですね。

曲調が愉快なので全然そんな曲だと思わなかったよ。

 

 

 

7. Michelle

 

この曲もイントロからすごい寂しくて儚いですよね。

ミシェルって名前も曲の途中フランス語で歌っているところも美しい。

 

個人的なエピソードなんですけど、

学生時代、一人でインドへバックパッカーしたときに、カレー屋で相席になった南アフリカ共和国在住フランス系白人のミーシャっていうめちゃくちゃ美しい女性に逆ナンされてデートしたんですけど、最後にもう少し私と一緒にいる?っていう彼女の誘いをよくわからなくて断ってしまったという、甘く切ない思い出があります…。

完全にこの曲とシンクロするんですけど、世の中どうなってるんだぜ…。

 

これ書いてて Michelle が思い出の曲となりました。

 

 

8. What Goes On

 

ここでカントリーロックで大好きなリンゴボーカル!好きだ。

歌詞は決して明るくないんですが、全体的に暗澹としているアルバムの中で楽しい気持ちになれる曲です。

この手の曲調の曲もどんどん洗練されていますね。ギターリフがおもしろい。

 

 

 

9. Girl

 

めちゃくちゃ好きです。この曲に関してはメロディーもコーラスも楽器も全てが好きです。シーーーーッも良い。

しばらく前にたま(バンド)にはまっている時期があり、たまがカバーしてる Girl を聴いてからすごい好きになった記憶があります。

 

 


たま Girl

 

 

今聴くとなかなか強烈です…。

しかし滝本さんめっちゃ美声。ジョンに通じるものがある気がします。

このたまの Girl も半年前にアップされてたりしてちょっと嬉しい。

 

 

10.  I'm Looking Through You

レビュー疲れたのでルッキングスルーしたい。

オルガンの勢いがジョージマーティンのそれと違って、リンゴがすごい出てる。

 

 

11.  In My Life

この曲の中で唯一安心して聴けるラブソング。好きです。歌詞が良い。

あとドラム良いよね。

歌詞の内容といい、間奏のハープシコード風なキーボ(ジョージマーティンが半分の速度で弾いて倍速したもの)といい、結婚式の雰囲気を思わせます。

ハープシコードって FF(Final Fantasy) って感じもします。

 

 

12. Wait

ジョンのクズ男っぷりが存分に発揮されている曲。さぞかしモテたことでしょう。

リンゴが楽しそうにタンバリン叩いてるのが良いです。

 

 

13.  If I Need Someone

やっぱりジョージの曲ってアルバム何個分か遅れてついてきてる感じがしてしまうのは自分だけですか?

 

 

14.  Run For Your Life

ジョンのメンヘラっぷりが存分に発揮されている曲。わりとかなり凄惨な歌詞。

Girl もそうなんですけど歌詞に dead って入ってくるんですよね、病んでる。

 曲調はラストのビートルズらしくアップテンポで聴きやすい。ジエンッダ

 

この曲はジョンが一番嫌いな曲らしいです。

わかるよ、だってこの曲メンヘラがヒステリー起こしたときに書く歌詞してるもの。

この曲が全世界で何世代にもわたって語り継がれると思うと恐ろしいですね。

黒歴史を背負って生きるのはアーティストの宿命。

 

 

 

 

アルバムのレビューするたびに長々と駄文を書き連ねてしまいますが、今回はひどいような…。

当初は1曲ずつレビューする気なかったんですが…時間はかかるけど楽なんですよね。

ビートルズのアルバムを終えたらレビューしない曲増えそうです。

 

 

ビートルズ中期の幕開けとされて、音楽性的にもかなり評価されているこのアルバム

個人的には暗くて寂しくて凄惨な、だけど儚くて美しい曲ばかりだと思うのですが

最後に安心して聴ける In My Life を貼り付けて終わりにします。

 


The Beatles - In My Life (Music Video)