The BEATLES ( White Album ) Disc 1 / The Beatles ー ジャケットよろしくシンプルに、けど各人の個性が色濃く出ちゃってるアルバム
曲数多いしみんな一人で曲作りすぎじゃね。
これまでのように実験的な試みをすることがなくなり
歌詞、演奏、雰囲気、どれをとっても洗練されているのは間違いないんですが
アルバムを通しで聴いてなんか疲れてしまう。
意外とまとまりのない仕上がりになっています。
このアルバムを発表する前、彼らはインドに瞑想修行に行っており、
その時に書きだめた曲が多く収録されているようです。
よっぽど瞑想大変だったんだろうな、特にジョンとか、向いてない。
瞑想のフラストレーションが反映されているのがわかります。
ちなみにぼくもインドひとり旅後、一年ほど瞑想しておりました。
1日10分とかだったんですが、修行は絶対できない。
1. Back In the U.S.S.R
久しぶりに1曲目からテンションの上がるロックンロールナンバー。
U.S.S.Rとはソ連のことです。
真っ白なジャケットから、昔のビートルズが帰ってきた!と思わせてくれます。
ポールボーカルなんですが、なんとなく雰囲気違う気がする。
タイトルはチャックベリーの Back in the USA のパクリで、歌詞やコーラスは Beach Boys の Califolnia Girls のパロディだそうです。
言われてみるとコーラスのビーチ・ボーイズ感がすごいです。
この曲、実はリンゴがメンバーと喧嘩してポールがドラムを叩いているそう。
その時のリンゴのセリフ
「3人は仲良くていいよな」
…かわいそう。
ポールドラム全然上手いんですが、スネアの位置が後ろめで
よく言えば気持ちいい、悪く言えばため気味でノリが出ないドラミングですね。
このドラムは他の人も叩けそうですが、リンゴのタイム感って独特で真似するの難しそう。
2. Deep Prudence
ビートルズと共に瞑想修行に行った、女優ミアファーローの妹が瞑想にのめりこんでしまって、外に出てこようよと呼びかける歌らしい。
それを知らずに聞けば、内気な女の子を優しく外に連れ出そうとしているジョンの素敵な曲。歌詞も曲も好きです。
3. Glass Onion
ビートルズのこれまでの楽曲がたくさん登場するファンには楽しい曲。
妖しい雰囲気でサイケみがあるジョンの曲です。
Glass Onion ガラスの玉ねぎってなんぞ??
って感じなんですが、Glass on your own を語幹はそのままに別の言葉で置き換えた説があるらしいです。
このブログも調べ物の転載ばっかりで、自分の言葉で書かなくなってきてるなあああ
4. Ob-La-Di, Ob-La-Da
ポールらしい愉快な有名曲。ぼくは小学生の時にピアノで弾きました。
そのイントロのピアノがまさかジョンがトランス状態でやけになって弾いたものだったとは。
Ob-La-Di, Ob-La-Da は、ナイジェリア人のコンガ奏者ジミー・スコットの口癖(造語)で意味は特に無いらしいです。
後に著作権問題にもなってるらしい。
積年の疑問は、解なしが正解だったとは。
5. Wild Honey Pie
イントロの不思議な雰囲気でこれジョージ曲だわと思ったんですが、ポールの曲。
インタールード的なポジションで、遊びで作ったため本来アルバムに入れる予定はなかったそう。
ハニーパイってひびき、なんとなくエッチな感じを想像しちゃいますよね。
ちなみに英語の Pie におっぱいの意味はありません。
6. The Continuing Story of Bungalow Bill
好きな曲。ポップ×狂気 とか 子供っぽさ×サイケ みたいな感じ好きなんだよな。
みんなで歌うのとか、小さい女の子のボーカル入れてるとことかも好きだ〜
って書こうとしたらそのボーカル、オノ・ヨーコだったとは。声幼すぎだろ。
サビと、Aメロと歌詞の対比がおもしろいです。
物語風の歌詞はポールの十八番ですが、珍しくジョンが皮肉を込めて物語風の歌詞を書いています。
7. While My guitar Gently Weeps
この曲ベストにも入ってて有名なんですが、今までそんな好きじゃなかったんですよね。さらっと聴き流しちゃう
ジョージの曲で、歌詞もジョージらしいです。
確かに曲としてのクオリティは格段に良くなってると思います。
しかし、改めてこの曲を聴いて、
ギターがすごい。まじですすり泣いてる。
実はこれジョージと仲良しなエリッククラプトンが弾いてるらしいんですよね。
ちなみにどれくらい仲が良いかというと
どちらも同じ女性と結婚しています
(どちらも破局しています
そういうことも踏まえて今後この曲を聴きたいですね。?
8. Happiness Is a Warm Gun
一聴して、この曲はタダ事じゃない感というか、
ジョンの気持ちや気合が入ってるのがわかります。
構成や演奏、ボーカル、歌詞全てが凝ってる。
ちゃんと聴くのにエネルギーがいります。
幸せは他者の犠牲の上に成り立っている、発射直後の銃みたいな刹那的なもの、と皮肉っています。インドで瞑想修行した反動ですか
その他、歌詞には多く隠語や猥語があるみたいなので Wiki を見てみてください。
9. Martha My Dear
Yesterday, Elenoar Ligby のようなポールのソロ曲。
良く言えばまとまりの良い曲、悪く言えばまとまっちゃってる曲。
10. I'm So Tired
ジョンの瞑想疲れを、ボーカルや演奏全体で感じることのできる曲。
ジョンは瞑想すればするほど邪念が深まっていますね。
11. Blackbird
ここでポールがかましてきましたね。ポール名曲生み出しすぎ。
ブラックバードってワードと、アコギの綺麗な指引きがハマっています。
メロディーメイカーってだけじゃなかったのね。
ぼくもコピーするくらいには大好きな曲です。
The Beatles - Blackbird (1968)
12. Piggies
冒頭からハープシコードでFF感がすごい。ジョージの曲。
人間を Piggies(ブタ) に見立てて、高級感たっぷりな演奏の中、豚の鳴き声を入れて皮肉った曲。最後にオペラ座の怪人みたいな音が入るのが印象的。
それにしてもジョージは皮肉を言うのが本当に大好きですね。
13. Rocky Raccoon
ポールのフォークソング風の西部劇を題材にしたと言う曲。
ロッキーラクーンが恋敵を討ちに出かけたら先に撃たれてしまうところで流れる、ジョージマーティン先輩のピアノソロが楽しい。
この曲はピアノソロが楽しい。そこに尽きる。
14. Don't Pass Me By
はじめてリンゴが1から全部作り上げたというカントリーソング。
リンゴのボーカルって本当にのどかで優しくて素敵ですね。
冒頭の I listen for から好きだわ。
15. Why Don't We Do It In the Road?
なんで道端でやらないんだ?っていうしょうもない感じのポール曲。
ポール歌い方変えるから、こんなボーカリストいたっけ?って思ってしまいました。
16. I Will
またまたポールのフォークソング。
後の奥さんのことを歌ったはじめての歌らしい。
歌詞中では見かけただけで名前も知らないって言ってるけどホントかな?
きれいなボーカルで歌詞も素敵なんだけど、自分もWhite Album も疲れてきた気が
17. Julia
1枚目のラストを飾るのはジョンの弾き語り。これまで壮大にやってたのに珍しい。
なんだかんだポールの弾き語りより、ジョンの弾き語りの方が好きかな。
タイトルの Julia はジョンの母親で、歌詞中にはオノ・ヨーコも登場して、オノ・ヨーコを母親のイメージと重ねて歌っているラブソングらしい。
息子もジュリアンレノンだけどそれも母親からきてるのかな?
ジョンの魂でもマザーーー!って叫んでるし、生い立ちを考えるとかわいそうだけど、母親を求めてしまう運命にあったのかもしれないですね。
そんなジョンの運命が詰まったような切ない曲となっております。
これで半分か。前半11曲くらいでよかったんじゃないか。
彼らのエゴにやられて息切れしたレビューでした。
また、後半に続きます。