Magical Mystery Tour / The Beatles ー サイケな前半と名曲揃いの後半でワクワクするアルバム

 

これまでのアルバムで一番好きかも。

 

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世間的に評価の高いリボルバーやサージェントは

彼らの音楽性の成長や、これまでにない実験的な試みも含めて評価されていると思うんです。

なので、かっこいいんだけど少しギラギラしててまとまりがなく、

すげえとは思うけどすげえ好きかと言われればちょっと違うようなアルバムなんです。

 

その点今作マジカルミステリーツアーは、ジャンルとしてはサイケに分類されるんだろうけど

Tomorrow Never Knows とか A Day In the Life のような高カロリー曲がなく、(インド曲もない

彼らのエゴが削ぎ落とされたような感じで、洗練されて聴きやすいです。

 

個人的にふわふわしてる系のジャンルが好きなのでこういう評価になりました。

では、マジカルミステリーツアー レビューのはじまりはじまり〜…

 

 

 

1. Magical Mystery Tour

 

どこかに遠くへ連れて行ってくれそうなツアーの始まりを告げる曲。

このアルバムってそういうコンセプトアルバムなのかな?

ちょっと違う気もしますが、そう捉えたほうが楽しいですね。

 

エフェクターの効いたコーラスとポールのボーカルがいい感じです。

テンポが変わるところとか、最後のピアノが好き、ツアーが先へ進んでいく感が出てます。

 

 

2. The Fool On the Hill

 

レビューすると歌詞を読むきっかけになっていいですね。

ピアノとフルート印象的なこの曲ですが、ガリレオが地動説を否定されたことがモチーフになっているようです。

美しくて儚いような物語風なパターン、完全にポールの十八番に入ってる。

 

 

3. Flying

 

ビートルズ初のインスト曲で初のインタールード的な試み。

個人的にサビのオルガンのメロディーが懐かしのゲーム音楽的な印象。

牧歌的だけどサイケでフライングってタイトルが似合ってます。

 

 

4. Blue Jay Way

 

今作のジョージ曲はインドではなくなっています。

インドじゃなくなった分、ボーカルやドラムにまでがっつりエフェクトが掛かっていて

サイケな仕上がりな曲。

待ち合わせの時間になっても来ない友人へのイライラを歌にしていて、歌詞は久しぶりにジョージ節が炸裂しています。

アルバムの雰囲気の沿っていて妖しげな感じでいいんじゃないかと思います。

 

 

5. Your Mother Should Know

 

君のお母さんなら知ってるだろう、という訳。(知るべき、ではない

めずらしくシンプルな演奏とメロディーな曲。

 

現代でも第二のはっぴいえんどnever young beach などをはじめ、mono no aware などオールド回帰っぽい流れがありますが

ただでさえ50年前に出たアルバム内での、オールド回帰な曲です。

昔の良さの中に、さらに昔の良さを感じることのできる、これまた不思議な雰囲気の曲

 

 

6. I Am the Walrus

 

ジョンが当時傾倒していたらしいハレクリシュナと(インドの宗教団体

"鏡の国のアリス"の"セイウチと大工"、"ハンプティダンプティ"の組み合わせから生まれた不思議な曲。歌詞がカオス。

でもこういう変な曲ってなんだかんだみんな好きなんですよね。ぼくも好きです。

ネットでは怖くて聴けないなんて意見もありました。

確かに最後とか、Good Morning Good Morning のラストみたいなことやってますね。

 

 

 

 

これ書きながら調べていてわかったんですが、Magical Mystery Tour って本来6曲で、後の5曲はシングルの付け足しなんですね。

ある意味 Tomorrow Never Knows や A Day In the Life と同じようなラストの雰囲気がある曲です。

 

この記事の頭で Magical Mystery Tour べた褒めしましたが、さすがにここまでの6曲だとサイケ色が強すぎてしんどいかも。

ここからのシングル5曲も含めて、大好きなアルバム、とします。笑

 

 

〜小休止として 映画 Magical Mystery Tour の Trailer を〜

 


The Beatles - Magical Mystery Tour (Trailer)

 

 

 

 

7. Hello, Goodbye

 

あまのじゃくな気持ちをシンプルな歌詞とポップな曲調に落とし込んだ名曲。

歌詞をちゃんと読むまで、こんにちはしてさようならするだけの曲だと思ってました。

また、これまでのアイドル色の強いビートルズやファンとの決別との解釈も。

 

ジョンっぽい歌詞ですがポールの曲みたいですね。

こういう楽しいけど寂しげな曲いいですよね。ラストのアドリブ部分も好きです。

 

 

8. Strawberry Fields Forever

 

好きな曲です。曲名がいいですよね。

でも、Strawberry Fields って実在した(ジョンは否定してる)戦争孤児院らしいです。

 

歌詞には様々な解釈があるみたいですが、ジョンもこの頃インド哲学にはまっていたそうだし、There's a Place の進化系、インド版みたいな解釈だと思っています。

住む世界が違うとか、色即是空みたいな感じですかね??

歌詞がインド的なので、ジョージいい仕事してる気がする。

あとはリンゴのドラムも印象的です。

 

 

9. Penny Lane

 

”あの頃ペニーレインと”っていうバンドマンの恋愛映画があるからペニーレインって女の子のことだと思ってました。(栃木県にペニーレインってパン屋さんもあるよ。

リヴァプールのペニーレイン通りの歌らしいです。

こういう固有名詞って不思議とパワーワードになりがちですよね。

 

歌詞が少しインドくさいなと思ったら、ポールがストロベリーフィールズに触発されて作った曲なそう。

前曲と対照的に、曲の雰囲気は明るくていいですね。

 

 

10. Baby You're a Rich Man

 

皮肉全開な曲。オーボエの音と裏声で歌うAメロ部分がきれい。

有名曲にはさまれててあんまり入って来ない…。

この頃亡くなってしまったブライアンエプスタインに向けられた、という解釈もあるそうです。

 

 

11. All You Need Is Love

 

みんな知ってる名曲。

それもそのはず、

世界宇宙中継で使用するために、世界中の誰が聴いてもわかりやすいテーマの曲、という注文で作られた曲らしい。

同じような内容は The Word で一度やってるしね。

それっぽい歌詞はそれっぽく歌わないと名曲にはなり得ないのですかね。

バックのオーケストラやラストが素敵です。エンディングにふさわしい。

 

 

 

 

歌詞を読み込みながら通しで聴いてみて

前半のサイケな6曲と、後半のシングルの5曲で、上手く調和がとれているアルバムだなと感じました。

今回がビートルズとして9作目のアルバムになるわけですが

1作目の Please Please Me からここに来るまで4年半しかかかっていないのだから驚きです。

まるでマジカルミステリーツアーですわ、と、何上手いこと言ってんねん風に終わりです。

 

 

最後は、元祖MVと呼ばれるビートルズが、当時歌い姿と関係ない映像を使うのは珍しかったらしい、ストロベリーフィールズフォーエバーで

 

 

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